走っている時や歩いている時にヒザの裏側が痛くなることがありませんか?

今回は、その原因について解説していきます。

 

ヒザの構造

まずヒザの仕組みについて解説します。

ヒザという関節は、太ももの骨である「大腿骨(だいたいこつ)」、ヒザの下にある太い骨である「脛骨(けいこつ)」、お皿の骨である「膝蓋骨(しつがいこつ)」から構成されています。

脛骨の横には「腓骨(ひこつ)」という細い骨が沿うように位置していますが、この腓骨はヒザというよりは足首の関節に大きく関係するので今回の説明からは省きます。

 

ヒザは曲げ伸ばしという動きができる関節ですが、詳しく動きを見ていくと、関節の構造的に、伸びながら脛骨が大腿骨に対して外側にひねるような動きをします。

これを「スクリューホームムーブメント」といい、これに伴いヒザ内部のじん帯が適度に緊張させられることになり、ヒザが伸びた時の関節安定性を向上させています。

 

ヒザ関節は、「関節包(かんせつほう)」という厚い組織で密閉されていて、その中は液体で満たされています。

関節内には、半月板や十字じん帯や側副じん帯という組織があり、ヒザの動きをサポートしています。

 

 

ヒザの動きに影響する因子

ヒザ周囲の筋肉は、ヒザ関節の骨の動きを担っています。

太ももの前面にある大腿四頭筋が主にヒザを伸ばす働きをし、太ももの裏側にあるハムストリングスやふくらはぎにある腓腹筋が主にヒザを曲げる働きをします。

ヒザ周囲にはこれらの筋肉以外にも多くの筋肉が付着しており、ヒザの動きにさまざまな制限を与えることになります。

 

場合によっては、この「制限」がヒザの動きを阻害し、ヒザの痛みを引き起こすことにもなります。

例えば、骨盤のゆがみによってヒザの内外側の筋肉に緊張状態をもたらすと、ヒザの曲げ伸ばしのたびに関節の動きかたに偏りを生じさせます。

それが繰り返されることによって、ヒザの軟骨に微細な損傷を負わせることになり「ヒザの痛み」として認識されることになります。

 

 

ヒザの裏側には何があるか?

ヒザの裏側には、先ほどのハムストリングスや腓腹筋の他に、「膝窩筋(しっかきん)」という小さな筋肉もありますし、脂肪組織が溜まっていることもあります。

また、水分の循環を保つために、膝窩リンパという組織や膝窩動脈や静脈も通る部分でもあります。

 

 

ヒザの裏側が痛くなる原因

このようにヒザの構造や動きの要因を見ていくことで、ヒザの裏側が痛くなる原因が見えてくることがあります。

一般的な原因についていくつか挙げてみましょう。

  • ヒザ周りの筋肉の緊張
  • ヒザ周りの循環状態の不具合によるむくみ
  • ヒザ周りの組織の損傷による炎症
  • ヒザを曲げる時の脛骨と大腿骨の連携不十分
  • ヒザを曲げる時の膝蓋骨の連携不十分
  • 半月板の損傷または連携不十分
  • 関節内液の循環不良
  • 関節内のじん帯損傷による関節の緩み
  • ヒザ以外の要因による関節の緩み
  • 骨盤のゆがみによるヒザ関節機能障害
  • 腰椎より上部が要因となる骨盤の関節機能障害
  • 足首の関節機能障害

 

 

かわむら整体院での整体

具体的な点は、当院でのケースについてカンタンにご紹介します。

まずはじめに、姿勢をチェックすることで骨盤より上部の影響を検査していきます。

経験上、ヒザに痛みを抱えている方の多くは、骨盤の偏りや背骨のねじれが出現していることが多いからです。

骨盤のゆがみについては、さらにヒザを曲げた時に生じる腰椎やヒザ関節の緊張状態をチェックします。

 

これら検査した関節機能障害を取り除いた後に、ヒザの動きが変化しているかを検査します。

 

変化していないか、変化していても症状が残っている場合は、ヒザ関節の詳細な動きを検査していきます。

 

さらに深い検査をするために、イネイト活性療法によって全身の状態を検査していき、関連性を探っていきます。

どの部位がどのように関わっているかはそれぞれですが、例えば内臓の偏りが骨格に影響していることもあるので、まさにできるだけ広く検査するようにしています。

 

これら一連の検査と整体をおこなった上で、どのような変化が起きたのかを確認し、自然治癒力が最適に発揮しやすいような道筋をつけていくのが当院での整体となっています。