かわむら整体院です。
パソコン作業などを長時間していると、とてつもなく肩を揉みほぐしたくなりますよね。
これは肩周りの筋肉が凝り固まってしまい、痛みとして現れているからで、これを一般的に「肩こり」と呼んでいます。
この「肩こり」ですが、甘く見ているといろいろなところに次のような弊害が出てきます。
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- 目の痛みや視力の低下
- アゴの痛み
- 首の痛み
- 肩関節の鈍い痛み
- 肩周りのうずきや熱感
- 腕のしびれ
- 呼吸時の脇腹の痛み
- 自律神経バランスの乱れ
他にもまだまだあります。
このような弊害が出る可能性があるのなら、肩こりといっても甘く考えずに、しっかりと原因追求して解決しておきたいところです。
今回は、肩こりの原因として、「背骨」との関係性について解説してみたいと思います。
肩こりの原因
肩こりというのは、とてもシンプルに考えれば「肩周りの筋肉が硬くなること」といえます。
ではなぜ肩周りの筋肉は硬くなるのでしょうか?
この原因を突き止めなければ、いくら肩をもみほぐしても一向に解決に向かわないですよね。
そもそも「硬くなった筋肉」は、もみほぐすことで微細損傷を起こします(いわゆるもみ返しというやつです)。
もちろん私たちは、自然修復機能を持っているので筋肉組織の微細損傷は自然に治るのですが、その過程で以前よりも硬くなって再生されます。
もみ返しの後でよけい硬くなるのはそのためです。
ここでは、当院の検査で考慮している代表的な「肩こりの原因」をご紹介します。
- 肩周りの筋肉の循環システム障害
- 肩甲骨の可動性低下
- 肋骨の可動性低下
- 背骨(胸椎)と肋骨の関節機能障害
- 背骨間の関節機能障害
- 頚椎の関節機能障害
- 横隔膜の緊張
- 内臓の偏り
- 肩関節周囲の組織が損傷を起こしている
- 背骨の中を通っている液体(脳脊髄液)の循環システム障害や圧力不安定
- 何らかの感染による影響
- 肩関節の脱力によるもの
- 脳血管性の影響
などが挙げられます。
これらの原因の中でも、背骨(胸椎)の状態というのは、とても高頻度で肩こりと関係してくるので、今回の内容で詳しく取り上げてみます。
背骨(胸椎)の動き
背骨の中でも、ちょうど背中のあたりにある背骨を「胸椎(きょうつい)」といいます。
胸椎は肋骨とつながっていて、12個の胸椎と12対の肋骨、そして前方にある胸骨を加えて胸郭(きょうかく)という鎧のような形状を作り上げています。
胸郭には、前面にある鎖骨(さこつ)と後面にある肩甲骨(けんこうこつ)がくっついていて、これらの骨に腕の骨である「上腕骨(じょうわんこつ)」が繋がることで「肩関節」を構成することになります。
詳しくは「背骨や肋骨について」でも解説しているので参考にしてください。
このように見ていくと、ひとことで「肩」といっても、たくさんの骨組みが関係して構成されていることがお分かりかと思います。
そして「胸椎」の動きは、肩の動きにとても重要な要素となってくるのです。
胸椎は、その形状から前後左右とひねりの動きをすることができ、これらの動きはほとんどの場合、それぞれの動きが複合的に組み合わさっています。
たとえば体を左に傾けた時は、「左側屈+左回旋+前屈」または「左側屈+右回旋+伸展(のけぞる)」のような感じです。
これらの動きに制限がなければ、肩周りの関節もきれいに動くので筋肉への負担がかかることなく硬くなりにくくなります。
しかし胸椎の動きが制限されることで、肋骨の動きが制限され、鎖骨や肩甲骨の動く範囲も減少し、上腕骨との関節に不具合が生じます。
そして私たちの生活様式は、胸椎をほとんど動かすことのない生活になっているのです。
スマホを見る時は長時間前かがみになっており、パソコン作業でも両手を前に出て前かがみになって固定されています。
実は、胸椎の動きの中でほとんど前屈の動きしか使っていないのです。
これが固まるといわゆる「ねこ背」となってきます。
背骨(胸椎)を意識的に動かすには
では、胸椎を意識的に動かすにはどのようにすればいいでしょうか?
答えはカンタンです。
普段おこなっていない動きをすればいいだけです。
- 体をひねる
- 体をそらせる
この二点を意識するだけでも胸椎の動きは出てきます。
ただし注意点が三点ほどあります。
- ゆっくりおこなうこと
- 呼吸を止めないこと
- 痛みの出ないところまででやめること
これらに注意しておこなうことで、胸椎の動きは軽やかになり、肩こりの状態から日常的に解放されることになります。
実はこのような運動は、「ヨガ」でもいろいろ取り入れられていますよね。
昔から伝わっているような体操は、それだけ理にかなっているということです。