かわむら整体院です。
よく五十肩といわれるようですが、今回はそのように痛くて肩が上がらないときの原因について説明します。
簡潔に言えば、肩関節というのは複合的な関節です。
肩が痛いというのは、このような複合的な関節のどこかが邪魔をするために一部分に負担がかかった結果とも言えます。
具体的なお話をすると、
肩関節というのは次のような骨がそれぞれ組み合わさって動くことで、上げたり回したりできるわけです。
- 上腕骨(じょうわんこつ)
- 肩甲骨(けんこうこつ)
- 鎖骨(さこつ)
- 肋骨(ろっこつ)
- 胸椎(きょうつい)
- 頚椎(けいつい)
実際に学生に教える時の骨組みはもう少し少ないのですが(理学療法士の国家試験対策の場合)、僕のこれまでの臨床経験上、これだけの骨が関連していることは確実です。
これだけたくさんの骨が関与しているということは、どこかの動きが悪いのに無理に上げようとすれば、大きく動く部分に負担がかかるのは当たり前とも言えます。
肩といえば、一番目についてわかるのは上腕骨と肩甲骨の関節です。
しかしたとえば、顔を右(または左)に向けたまま、腕を上げようとすると正面を向いた時よりも上がらなくなります。
もしも首の動きに偏りがある場合、肩に負担がかかるということです。
これは最近のスマホやパソコンのしすぎ、寝そべってテレビを見る、というような姿勢の影響が大きくなってきます。
このような骨組みが直接痛みの原因となることもありますが、それとは違い、筋肉や軟部組織の炎症が元になることもあります。
たとえば、上腕二頭筋という筋肉があります。
この筋肉は、肘を曲げるときに「力こぶ」ができる時の筋肉なのですが、この筋肉が骨にくっつく直前に「けん(腱)」となります。
その「腱」の通り道として、上腕骨のくぼみがあるのですが、そのくぼみで炎症が起こることがあります。
これを「上腕二頭筋長頭腱炎」といいます。
また、上腕骨と肩甲骨の間には三角筋下滑液胞(さんかくきんかかつえきほう)という袋状の軟部組織があります。この袋が骨同士のぶつかり合いという負担に耐えられなくなって炎症が起きることがあります。
つまり筋肉や袋の炎症があると、動かした時でなく安静時にも痛みが出てくるということです。
あなたの肩の痛みがどの辺りにあるのか、いちど注意して観察して見るのもいいと思いますよ。