かわむら整体院院長の川村です。
日本では昨年終盤に収まりつつあったのですが、2022年(令和4年)になって、新型コロナウイルスの新しい変異株である「オミクロン株」に感染する方が世界各国で爆発的に増えています。
感染症のこと、コロナウイルスのこと、生活のことなどいろいろ不安になる方も多いかと思います。
今回は、個人レベルで可能な範囲でできる対策について、厚生労働省の公表している事実をベースにできるだけわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
新型コロナウイルスの特徴と感染の仕組み
ウイルスは、たんぱく質と核酸で構成されている小さな粒です。ウイルスにはさまざまな種類がありますが、コロナウイルスはRNAという核酸を遺伝情報として持ち、粒子の外側が「エンベロープ」というアブラの膜で覆われています。ウイルスは単独では増殖できませんが、生物の粘膜から細胞内に侵入することによって、その生物の機能を利用して増殖していきます。
ウイルスの増殖は、まず宿主となる生物の細胞表面にくっつくことから始まります。ウイルスが細胞に接触すると、ウイルスの表面にある「スパイク」と呼ばれる突起物が細胞の表面にある「レセプター」と結合します。この結合ができるかどうか、つまり、スパイクとレセプターの形が合っているかどうかが感染するかどうかを決定します。
まんまとレセプターに結合された細胞は、ウイルス粒子を仲間と思い込み細胞内に取り込んでしまいます。そうなると細胞独自の働きにより、ウイルスにあるRNAから遺伝情報を読み取り、その情報をもとに新たなウイルスたんぱく質を合成してしまい、作り出された完全なるウイルスのコピー品を細胞の外に放り出してしまうのです。
こういった一連の増殖の流れが多くの細胞内で起こることによって「ウイルス感染」が発生するわけです。
新型コロナウイルスは、細胞表面にある「レセプター」と結合しやすい「スパイク」を持っており、特にオミクロン株ではさらに適合しやすくしているため、これだけ感染者数が増えているというわけです。
参考画像URL
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v18/n10/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%8C%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%81%AB%E4%BE%B5%E5%85%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF/109460
新型コロナウイルスの感染経路は、「飛沫」と「接触」と言われています。
- 飛沫感染:くしゃみなどの飛沫に混ざったウイルスが粘膜細胞に吸着する
- 接触感染:ウイルスのついている物品などに接触し、その接触した手で飲食などをすることで粘膜にウイルスが吸着する
感染予防の考え方
ウイルスの正確な情報がわからなくても、ウイルスの仕組みと感染経路がわかっているため、このどちらかでも対策できれば、高確率で感染予防はできます。
- ウイルスに対しての予防策
- 感染経路に対しての予防策
- 感染した場合の重症化予防策
1番と2番は、厚生労働省でも公表している内容でそれなりの根拠も出ていますが、3番に関しては民間医療並みの話だととらえてください。
ウイルスに対しての予防策
ウイルスが細胞につきにくくする方法が「ワクチン」として開発されています。
現在使用されている新型コロナウイルスに対するワクチンは、ウイルス表面にある「スパイク」というと突起物に結合することができるため、結果としてウイルスが細胞内に進入できなくなります。ウイルスの毒性が働かないように中和するため、「中和抗体」といいます。
また、感染してもウイルスの増殖を妨げるような治療薬も開発されています。
ウイルスを死滅させる方法として有効なのが「消毒」です。
- 熱水:80度の熱水に10分間さらす(人体には適用できません)
- 次亜塩素酸ナトリウム:溶液の酸化作用などで無毒化、市販の家庭用漂白剤を0.05%に薄めて使用(人体や金属には使用注意!)
ウイルスを洗い流したり「エンベロープ」という膜を破壊することで無毒化することもできます。
- 家庭用洗剤など:金属製のドアノブなどをふく、表面活性剤がウイルスの膜を破壊して無毒化
- せっけん手洗い:手洗いに有効、ウイルスの膜を破壊し、かつ流水で洗い流す(人体に最適な方法)
- アルコール:濃度70%~95%のエタノールを手指にこすりつける、ウイルスの膜を破壊する(手洗いできないときに有効)
感染経路に対しての予防策
飛沫感染に関しては、マスク着用による飛沫の減少(飛沫を出す側の対策)や相手との距離をとる(飛沫を出す側と受ける側の双方)が有効です。特に屋外で密集していない場所ならば飛沫感染はかなりの確率で予防できます。いわゆる「三密」の回避というのは飛沫感染の予防を狙ったものです。
接触感染に関しては、手をこまめに清潔に保つことで防ぐことはできます。
手を清潔に保つには、せっけんでの手洗いやアルコール消毒が有効なのですが、ここで注意することがあります。手を洗った後は、口などに何かを持っていく前に他の場所を触ってはいけないということです。
手洗いをした後にパンを食べる事例を挙げてみます。
- 手を洗ってパンをちぎって口に持ってくる:この間にウイルスに接触する可能性はとても低いですね
- 手を洗って買ってきたパンの袋を開けてちぎって口に持ってくる:ウイルス接触の可能性が高まりましたね
- 手を洗ってパンをちぎる前に髪の毛を整えた:これもウイルス接触の可能性が高まっています
このように厳密に考えれば接触感染を完全に防ぐのは困難に思えます。しかし可能性をできるだけ低くすることは、皆さんの心がけひとつでできてくることも忘れずにいましょう。
もしかすると、日本で感染者数が低い傾向があるのは「箸」を使う文化が関係しているのかもしれませんが、確証はありません。
免疫バランスを整える方法
感染した場合の重症化予防策を3番目に挙げていました。
これにはしっかりした医学的根拠が乏しいのですが、一般知識として挙げておきます。
人間(生物)には、個々に「自然治癒力」というものが備わっています。
自然治癒力とは、生命力ともいえますし、回復する力ともいえます。その根源にあるのはもしかしたら「免疫力」なのかもしれません。
免疫力とは、自分の体を外敵から守る力のことです。
とても頼もしい力に思えますが、これにはバランスが大切です。過剰に働くとアレルギー反応として自分の体を破壊するという暴走を起こすこともあるからです。
なので「免疫バランス」というとらえ方をします。
免疫バランスが高いレベルで整えられていると、次のような効果が期待できます。
- ウイルスなどの侵入に対して細胞内に入る前にやっつけてくれる
- ウイルスなどに感染しても増殖する前に対応してくれる
新型コロナウイルスに対して人体の免疫システムがどの程度働いてくれるのか、いまだに未知数ですが、免疫バランスを整えておいて悪いことはありません。
ここでは免疫バランスの整え方についてご紹介します。
- 適度な食事バランス:優良な食事は腸内環境をととのえ良好な免疫細胞をつくりだします
- 適度な睡眠と運動:ストレス調整ができ、自律神経バランスが整えられます
- 体を冷やしすぎない:低体温は内臓の働きを鈍らせ、免疫力を低下させます
- 楽観的になる:心理的恐怖感は自律神経バランスを乱します
後遺症について
新型コロナウイルス感染症は、出てくる症状に差がありますが、後遺症も問題があるようです。これには毛細血管の炎症が原因のひとつではともいわれていますが、まだ確かな原因究明までには至っていません。
- 嗅覚障害
- 倦怠感
- 味覚異常
- 発熱・微熱
- 呼吸困難
東京都福祉保健局では後遺症リーフレットを公表しているので参考までにURLを載せてます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/soudan/longcovid_leaflet.html