かわむら整体院です。
ひざの痛みに関する病名に「変形性ひざ関節症」というものがあります。
変形性ひざ関節症とは、ひざの関節部分が変形し、立すわりや歩行時などに障害が出ることをいいます。
診断については医師の領域なのでここでは述べませんが、多くはレントゲンなどでひざ関節の隙間が減っていたり、骨の変形が確認されたりすることで確定されるようです。
教科書的には主な原因として、「加齢」や「肥満」が関係していると書かれていますが、実際の当院での経験ではもう少し掘り下げたほうがいいと感じることもあります。
今回は、特に「肥満」との関係性について説明したいと思います。
肥満は骨や軟骨に関与するか?
肥満はひざの骨や軟骨を変形させる原因なのか?
これについては逆を考えれば一目瞭然です。
肥満の人はすべて、ひざの骨や軟骨の変形を起こしているのか?
これはないですね。
そのそも肥満がひざに関与しているといわれるのは、力学的な負担から考えられたものです。
肥満=体重が身長に比べて重い
ということなので、その重さの分だけひざに負担がかかるという考え方ですね。
確かにひざにかかる重さが重いほどひざへの負担はかかります。
しかしそれは股関節にも足関節にも同じことがいえるのです。
なぜ「ひざ」なのかの説明になっていないのではないでしょうか?
どちらかといえば、ひざが痛いから動けなくなり、それが原因で太る、という図式が当たっているようにも思えます。
骨や軟骨に関与する他の要因
ひざの骨や軟骨が変形する直接的な原因は、その骨や軟骨になんらかの負担がかかっていることは間違いありません。
当院でおこなっている「関節機能障害」の考え方によれば、骨盤のゆがみはひざ関節の不適合をおこすといわれています。
ひざは曲げたり伸ばしたりするとき、わずかにねじれをともなって動きます。
もしひざ周りの筋肉に偏った突っ張りがあった場合、ひざが動くたびに偏った動きが生じることになります。
結果としてひざの骨や軟骨に偏った負担を起こしていきます。
つまり骨盤のゆがみは、ひざ周りの筋肉の突っ張り方に偏りを生じさせ、変形に関与していることになります。
腰のゆがみを起こす原因は?
では骨盤のゆがみは何が原因で起こるのでしょうか?
骨盤のゆがみを起こす一番の要因は、腰仙関節の機能障害であるといわれています。
腰仙関節の機能障害は、仙腸関節に負担をかけたり腰椎椎間関節に負担をかけたりとその前後で関連性を持つことになります。
当院での経験からいえば、ひざが痛い人のほとんどは腰回りの筋肉の強い張りを持っています。
これはつまり、腰椎椎間関節の機能障害がある可能性があるということになります。
確かにこのような場合、実際に動かしてみると腰椎の関節面の動きは十分とはいえません。
しかし逆のアプローチとして、腰椎周りの、特に深い部分に位置する筋肉の緊張を緩めると、腰椎の関節部分の動きが改善することがあります。
この場合、筋肉の張りが先で関節の機能障害は結果になると考えられます。
このままでは「卵が先か、鳥が先か」わからなくなってきますね。
一体何が、根本的な原因になってくるのでしょうか?
内臓の硬さが腰の張りに関係する?
腰椎の上のほうに肝臓やすい臓、ちょっと下には腎臓といった内臓が配置されています。
じっさいにこれらの臓器を蝕知してみると、かなり動きが硬くなっていることがおおいです。
夏場の場合は腎臓のあたりが硬いことと腰の痛みを訴える方の割合が高いこともありました。
そしてひざの痛みを訴える方と、「肝臓」「すい臓」のあたりの硬さを感じる割合も多い傾向にあったのです。
なぜすい臓や肝臓が関係するのかを考える
ここで考えることは、蝕知した感覚としての内臓の硬さと、腰の張り、骨盤のゆがみ、そしてひざの痛みや変形との関係です。
腰の張りからひざの痛みまでの関連性はこれまで書いてきたとおりです。
そして内臓の働きに何らかの異常があれば、その部位で硬さとなって表れることも当然といえます。
ではなぜ「すい臓」や「肝臓」なのでしょうか?
すい臓の働きは、糖質を摂取したときにインスリンを分泌して、糖質をからだ中に運んでいきます。
結果として血中の糖質濃度を下げる役割を持つことになります。
つまり糖質過多の食生活をしている場合、つねにすい臓が働いてインスリンを分泌しなければならないわけです。
また、糖質がエネルギー源として体中に運ばれた後、使われなかった糖質は肝臓に運ばれ「脂肪」として蓄えられます。
これが中性脂肪といわれるものです。
肝臓でためきれなくなった脂肪は、小腸の周りなどにどんどんこびりついていきます。
これらをまとめて「内臓脂肪」といいます。
代謝と肥満の関係
つまりたくさんの糖質を摂取することですい臓がガンガン働き、それらが十分にエネルギーとして消費されなければ、肝臓に負担がかかってくることがわかります。
このような結果として内臓脂肪が高まり、肥満となってくるわけです。
エネルギー代謝と貯蔵のバランスが崩れているということですね。
この流れを見ていくと、次のことが関連しているように思われます。
- 糖質過多
- 肥満
- すい臓と肝臓への負担
- 腰への負担
- 骨盤のゆがみ
- ひざの筋肉の突っ張り
- ひざ関節の機能障害
- ひざや軟骨の変形
肥満はひざの変形に関係しているとはいえますが、体重が重いことによる力学的な負担ではなく、糖質の過摂取による内臓への負担か原因であると考えることができます。
もちろん医学的な実験結果から導き出されたわけではなく、当院でおこなっている関節機能障害へのアプローチやイネイト活性療法による検査から導き出した結果であることは言うまでもありません。
まとめ
肥満とひざの変形や痛みについて関連性を考えてみました。
結果として「関連性はあるが原因ではない」
というのが当院の考え方です。
自分のもっている「治癒力」を高めることに興味ある方はかわむら整体院までどうぞ。